投資用不動産(一棟ものアパート・マンション)の市場動向について

      2017/02/10

こんにちは。
フロントオフィスのシュウトウです。

先頃、国交省から商業用不動産の平成28年第3四半期分の不動産価格指数が公表されました。
弊社ウェブサイトの『インフォメーション』でもご紹介しています。

>>> 『インフォメーション』「不動産価格指数(平成28年10月・第3四半期分)を公表」

この指数は、2010年の価格指数平均を100として現在との差をポイントで表すものです。
商業用不動産(「店舗」、「オフィス」、「倉庫」、「工場」、「アパート・マンション(一棟)」)について見てみると、種類全体の建物付土地総合指数は122.4、対前年同期比は+1.0%の上昇で、2012年4-6月分より18期連続でのプラスとなったようです。
全種類においてプラスの指数となっていますが、特に「アパート・マンション(一棟)」は130.3と2010年に比べ30ポイント超の上昇をしており、この6年間の価格の上昇傾向は顕著です。
2008年のリーマンショックの影響が色濃い時期を基準にしていますので、感覚的にも「その時期よりはかなり持ち直している」という印象を持っている方は多いと思いますが、指数にしてみるとその差がはっきりと見てとれるというメリットがあります。

もうちょっと詳しく見てみると、プレスリリースでは「三大都市圏」と「三大都市圏以外の地域」という都市圏ごとの分析結果も掲載しています。
「三大都市圏」と「三大都市圏以外の地域」それぞれのリーマンショック前後からの推移を表にしたものが次の図です。



※ 国土交通省『【報道発表資料】不動産価格指数(平成28年10月・第3四半期)の公表』より抜粋

これを見ると「アパート・マンション(一棟)」の価格指数の動向はいずれの地域も右肩上がりで投資家の堅調な勢いを感じますが、特に注目したいのが昨年の「三大都市圏以外の地域」の伸びです。
東京・大阪・名古屋のいわゆる「三大都市圏」では昨年も伸びているものの比較的緩やかな上昇だったのに対し、地方は急激な伸び率となっており、地方都市への不動産投資熱がかなり高いことがうかがえます。
札幌についてもここ数年はずっと上げ相場であり、昨年から今年にかけては高止まりしている印象です。
弊社でも北海道外の投資家様からの購入希望は引き続き多く頂いており、5年前には見向きもされなかったような価格で成約していくというのが現状です。

ただし、やはり少々極端すぎる市場動向であることは否めません。
金利の下支えにより相場が高くなる傾向は総論としては悪くないと考えますが、現在のややバブル的な相場のなかで利上げが始まる、あるいは金融機関の不動産投資市場への融資が下火になる、という動きが出た場合、急激に不動産投資市況が冷え込むリスクは孕んでいるようです。
また、個人的な感触として、ここ一年くらいは投資家様のオーダーにある一定のリスク回避の傾向がはっきり表れるようになってきた、つまりそれだけ警戒感は増してきているとも感じています。
ある程度の期間をかけて適正な価格範囲に落ち着くというような動きがベストですが、現在の市場に対する警戒感や先行きへの閉塞感が、いつ、どの程度の規模の反発として表れるかは不透明です。

まぁ先々のことは分かりませんが、現在の札幌の投資用不動産取引が引き続き売り手市場であることは間違いありません。
売却をお考えの方は、この時期にぜひ一度ご相談ください!

 - 1F 第1営業部