韓非子を読む
こんにちは!八重樫です。
最近、ビジネス書を読む時間が増えました。
起業したてのときはあまり考えなかったのですが、組織が大きくなるにつれ先人に学ぶ機会を比較的簡単に得られる読書の大切さがわかってきました。
自宅での就寝前や仕事の移動中(読みたい本があるときはあえて車ではなく電車・バスでの移動を作ることもあります)に読んでいます。
ここでは、現在読んでいる、または過去読んだことのある書籍の一部を紹介したいと思います。
しかし、ひとつ厄介な問題が・・・。
よく書籍の表紙の画像をアップして書評をしている記事がありますが、これは著作権上問題があるのです。
書籍の表紙の著作権者と本文の著作権者が異なるところに理由があります。
著作権法上、他人の著作物を許諾無しに用いることができる例外として「引用」というものがあります。
しかし、当然ながらこの「引用」は、自分の著作物(ブログの本文等)に関する引用でなければなりません。
具体的に言うと、仮に私がとある書籍の内容に関するコラムを書いたとして、画像にその書籍の表紙をアップしても「引用」とはならないのです。
なぜなら、私の文は書籍の「内容」(著作権者は本文の執筆者)であるのに、用いている画像は書籍の「表紙」(著作権者は表紙の製作者)であるからです。
しかし、全てのケースにおいてNGかと言えばそうではありません。
例えば、表紙の製作者が著作権を譲渡している場合(この場合でも著作者人格権は残りますが)や、黙示の許諾がある場合です。
通常は、書籍の表紙がWEB上に掲載されることは宣伝にもなりますから、黙示の許諾があると考えられるのですが・・・。
今回載せる画像は、黙示の許諾があると信じることとします。
前置きが長くなってしまいました(笑)
今回取り上げるのは、「組織サバイバルの教科書 韓非子」(守屋淳氏著)。
私は、かなりの歴史好きでして、特に日本の戦国史に興味があります。
また、中国の三国志及びその前の春秋戦国時代も好きだったりします。
きっかけは漫画・ゲームなのですがそこから小説やら城跡巡りやらに発展していきました。
中国の春秋戦国時代は、有名な兵法家や思想家が登場した時代でもあります。
孫子・孔子(論語)などは皆さんもご存知かもしれません。
その中で韓非子。
孫子や孔子と比べるとマイナーな人物かもしれません(ちなみに読みは「かんぴし」)。
しかし私にとってはかなり前からその思想に触れてみたいと思っていた人物の一人でした。
理由は「韓非子が『法家思想』の集大成である」からです。
法家は儒家と比較される思想です。
儒家は孔子を代表とする一派の思想であり、特徴は「徳治」。
読んで字の如く、徳によって治めることを良しとする思想です。
日本でいう道徳教育のもとになっていると言えばわかりやすいでしょうか。
それに対し法家は「法治」。
徳ではなく、法や制度によって治めることを目標としています。
ここで、法家思想の根底にはいわゆる「性悪説」があると言われています。
確かに、韓非子は性悪説を唱えた荀子に学んでいます。
しかし、私は性悪説=人は元々性質として悪だから韓非子が法家を唱えたのだとは考えません。
この書籍にもある通り、「人は元々弱く、状況に流されてしまう生き物である」のだと考えます。
極端に言うと、
「こいつは悪人だから横領されないように規制する」のではなく、
「横領できるような環境があれば魔がさしてしまうのが人間だから、できないような制度を作っておく」
というのが韓非子の内容だと解釈しています。
その他にも色々な考え方があり、トータルして考えると現代社会の会社経営においては、この韓非子の考え方は非常に参考になると思っています。
ちなみに誤解がないように申し上げておくと、儒家思想を排除するわけではありません。
法家儒家両方のバランスをとりつつ、組織の制度構築の理念としては法家寄りにするのが現代社会にマッチするのではないかということです。
この辺は話し始めるともっと長くなるので、別の機会に続きを書くかもしれません。
巷ではよく「西のマキャベリ、東の韓非子」と言われているようです。
ちょっと違うような気もしますが・・・。
マキャベリも読んでみて判断ですね。