<よい言葉④> 「自分の感受性くらい」
こんにちは。営業部のシュウトウです。
自分が人生を通じて影響を受けた<よい言葉>をご紹介するこのシリーズ。
数あるそういった言葉のなかで、出会ったときの衝撃が最も強烈だったのは、この言葉(作品)だと断言できます。
詩人・茨城のり子さんの代表作「自分の感受性くらい」。
余計な説明は、一切不要だと思います。
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自分の感受性くらい
ぱさぱさに乾いてゆく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて
気難しくなってきたのを
友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか
苛立つのを
近親のせいにはするな
なにもかも下手だったのはわたくし
初心消えかかるのを
暮らしのせいにはするな
そもそもが ひよわな志しにすぎなかった
駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄
自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ
(『自分の感受性くらい』/1977年)
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最後の一言に心が震えます。
強く、厳しい、しかし無上のやさしさにあふれた、美しい言葉。
今こそ、噛みしめるべき言葉です。