地図が命

   

フロントオフィスよりシュウトウです、こんにちは。

不動産の仕事をしていて、なんとしても必要なものといえば住宅地図。
これは絶対。
これ無しには始まらない。

どれだけ住宅地図に接し、住宅地図を愛し、住宅地図を我が物とするかで、不動産営業マンとしての未来が変わります。
決して大袈裟ではありません。

今回は、その理由を少しだけお話しましょう。

<住宅地図を知ることは、街を知ること>

住宅地図には住所索引がついていて、住所表記から所定のページを開ける工夫がされています。
しかし、当社の不動産営業マンには『索引を使ってはならない!』という掟があります。

なぜか?

見たいところだけ見る、という使い方では、その地図に掲載された地域(札幌であれば「区」ごと)全体のイメージが得られないからです。
自分の住まう街ならば、その住所を聞いただけで、その周辺地域の幹線道路やランドマーク、それらの位置関係などのイメージがパッと頭に浮かぶのが不動産のスペシャリスト。
そういうイメージは、現地で得られる情報と地図情報とによって形成されていきます。

特に地図では俯瞰的に多くの情報が網羅されているので効率的ですし、かつ、現地で感覚的に得ていた情報の補正をする役割もあります。
例えば、まっすぐ北に向かっていると思っていた道がじつは次第に東に折れている、というような状況は現地を歩いてもあまり意識されませんが、地図を見れば一目瞭然です。
また、遠いと思っていた二つの地点が、直線距離では思いのほか近かった、というようなこともありますよね。
そういう情報収集や補正を通じて、その地域のイメージを定着させていくことが大事です。

ですので、住宅地図を使うときは、索引でピンポイントにページを開くのではなく、まずは適当に開いてみて、そこから東西南北のずれをイメージして目的地に近づくようにページを繰っていきながら、目的地だけでなく周辺地域全体を見る。
何度も何度もそういうプロセスを繰り返すことで、いつしか地域全体の正確で具体的なイメージ(脳内地図)が構築されるのです。

ちなみに、このプロセスに慣れてくると索引検索よりもはるかにスピーディーに目的地を見つけられます。

さらに、脳内地図が構築されていれば、ナビは要りません。
住居表示の末尾「○番×号」まで熟知することは難しいですが、「△丁目」くらいまでイメージできれば、かなりの精度で近所まで到達できます。

ナビ不要ということにはさほど意味はありませんが、ナビに頼らずにその地点を目指せるということはルート選択の自由度が高まるので、幹線道路以外の生活道路を通るような選択もでき、それまで通ったことのないような道や街区を知ることができます。
つまり、現地情報が増えていくのです。

そういう訳で、住宅地図の活用は、街を熟知していくことにつながるのです。

<住宅地図は、宝の地図>

当社の主力事業は、事業用不動産、なかでも特に「レジデンシャル」と呼ばれる居住用の賃貸不動産の売買仲介業務です。
つまり賃貸マンションが商品、ということ。

住宅地図を開けば、1枚のページの内に何十棟もの賃貸マンションが表示され、住所や建物名、別欄には部屋番号などまで記載されています。
それは当社にとっての大事な商材がそこにあることを教えてくれているわけです。

どんな商売でも自分の扱う商材を知ることはとても大事なことですよね。
賃貸マンションの場合、同等規模の同等年式の同等規格の物件だったとしても、その立地、向き、接道状況、周辺環境などによって収益性や評価は大きく変わります。
そういう物件の良し・悪しを判断する基礎が、住宅地図には描かれているのです。

そして、その物件の情報を前述の脳内地図に落とし込んでいくことで、頭のなかに宝の地図が誕生します。
すなわち、どこに、どんな物件があったかを記憶する、ということ。

そんなの無理だろう、と思われるかもしれませんが、人間やればできます。
もちろん地図上の情報だけでは駄目で、実際に現地で見た建物の外観や周辺の様子を含めて記憶するのですが、地図を熟知したうえで現地で物件を見ると「○○あたりの、××な感じの物件」という明確なイメージが定着します。
これを何年も何年も地道に繰り返し、地図情報と現地情報とを脳内で組み合わせて記憶していくことで、自分だけのお宝マップになるのです。
この自分だけのお宝マップを築けるか否かで、不動産営業マンの未来は確実に変わります。
これホント。

不動産営業マンにとって、住宅地図とは、街を、物件を記憶するための基礎ツール。
地図なしでは不動産営業はできない。
まさに「地図が命」なのです。

 - 1F 第1営業部