確定申告といえば -遺産もらったときも、やらなきゃだめ?-

   

こんにちは!
今冬、薩摩芋に絶賛どハマり中。第1営業部の長田です。

不動産に限った話題ではないのですが、行政書士としても遺産相続手続の仕事をしていて、時節柄、お客様とのお話の中で「相続した遺産も(所得税の)確定申告しなくてはいけませんか」ということを聞かれることがよくありました。

特に、相続人となる方が自身で事業を営んでいて、確定申告に親しみがあるため気にされるケースが多かった印象です。
収益不動産をお持ちの方も関心のある方が多いのではないでしょうか。

私は税理士ではないため、個別の税金の計算などについてお答えすることはできないのですが、このような質問への一般的な回答として、以下のようなことをお伝えするようにしています。

【遺産の相続した際の確定申告は、原則「必要ない」】

遺産を相続した際に、相続した財産が一定の金額以上の場合に「相続税」を支払う必要があります。
この際に必要になるのは「相続税の申告」であって、いわゆる「(所得税の)確定申告」とは別の税務申告です。

でも、冒頭の質問をくださる方は、相続によって亡くなった方の現金や預金などを取得することが「収入になってしまうのでは?」ということを気にかけています。
安心して下さい。遺産を相続しただけでは確定申告を行う必要は原則ありません。

【相続人が確定申告をする「必要があるケースもある」】

余談ですが、法律の話の中で「原則」という言葉が出てきた場合、必ず「例外」がセットでついてくると考えた方が良いです。
先ほど、原則、遺産相続では確定申告は必要ないと言ったばかりですが、以下のようなケースに当てはまる場合には、相続後に確定申告が必要になります。

① 相続した遺産を売却した

亡くなった方が土地や建物や株式などを持っていて、これらを相続した後で売却した場合、その売却益に対して所得税がかかるため、確定申告をする必要があります。

② 収入を生む遺産を相続した

また、亡くなった方が賃貸マンション・アパートや駐車場などを所有していて、これらの賃貸不動産を相続した場合には、被相続人が亡くなった日以降の賃貸収入について、相続人の収入として確定申告を行わなくてはなりません。

③ 死亡保険金を受け取った

死亡保険金を受け取ったすべてのケースが当てはまるわけではありませんが、亡くなった方が被保険者で、「保険料を支払っていた人」と「死亡保険金の受取人」が同じ人であった場合には、所得税の課税対象となり確定申告が必要です。
例えば、父が亡くなったときに死亡保険金が受け取れる保険の契約で、毎月の保険料を子どもが支払っていて、受取人もその子どもになっている場合がこれにあたります。

④ 相続した遺産を寄付した

このほか、確定申告が義務ではないのですが、相続した遺産を国や地方自治体、社会福祉法人、認定NPO法人などの公益性の高い団体に対して寄付した場合については、確定申告を行うことで、所得税の寄付金控除を受けて節税につなげることができる制度になっています。

⑤ 準確定申告

亡くなった方が、確定申告をする必要のある次のような方であった場合などは、亡くなった方の"1月1日から亡くなった日まで"の所得金額・税額を相続人が計算して確定申告を行うことが必要になります(これを「準確定申告」といいます)。

・自営業を営んでいた人
・給与を2か所以上から受け取っていた人
・給与収入が2000万円を超えていた人
・給与所得、退職所得以外の所得の合計額が20万円を超えていた人
・公的年金などの年金収入が400万円を超えていた人
・土地や建物などを売却して利益が出ていた人

この準確定申告は、遺産を受け取ったりしたことで必要になる確定申告とは異なるものですが、相続に関連する確定申告ということであわせてご紹介しました。

なお、準確定申告は、申告期限が「相続の開始を知った時から、4か月以内」とされているので注意が必要です。
亡くなった方の葬儀後、四十九日が過ぎると諸々のやらなければいけない手続も少し落ち着くころですが、申告の期限まであまりゆとりはないということを覚えておきましょう。

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ということで、年の瀬くらいマジメな話題で締めてみました 笑

ところで薩摩芋なんですけど、東京浅草が芋スイーツの多さでよく知られています。
隅田川沿いの立地のため、サツマイモの産地である埼玉県の川越から、船で沢山の芋たちが運ばれて来ていたことに由来するそうです。

長田のイチ推しは"大学芋"
外はカリカリ、中はホクホク、たっぷり甘蜜もかかってりゃ、もう言うことありません!
道内の物産展に出店があった際でもよし、観光で浅草に立ち寄ったときでもよし。
チャンスがあればぜひご賞味ください。

※いつぞやの午前6時。雷門は実は24時間空いていて、仲見世通りも常時明かりが灯っています。長田のような人混みが超苦手な方は、朝方や夜中の訪問が意外と吉。

いやはや、今年も1年あっという間に過ぎ去ってしまったように感じます。
どうぞ皆さま良いお年をお迎えください。

来年もよろしくお願い致します。

 - 1F 第1営業部